つい、この前まで日中は30度にもなるような日が続いていたのに、
急に朝晩が寒くなり、秋を感じている。
柿も梨も蜜柑も美味しいが、皆さんは、歌で秋(安芸)を感じることはないだろうか。
私は、ある先生から、「里の秋」の歌詞の意味を知っていますか、と訊ねられ、
知らなかったので、教えていただいた。
㈠ 静かな静かな 里の秋
お背戸に木の実の 落ちる夜は
ああ 母さんと ただふたり
栗の実 煮てます いろりばた
㈡ 明るい明るい 星の空
鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は
ああ 父さんの あの笑顔
栗の実 食べては 思い出す
㈢ さよならさよなら 椰子の島
お舟にゆられて 帰られる
ああ 父さんよ ご無事でと
今夜も 母さんと 祈ります
1番は、木の実が落ちる音が分かるほど、しーんと静まり返った夜、
お母さんのいろりを囲んで栗を煮ている。
2番は、満天の星が見える晴れた夜、たくさんの鴨が遠くの空に消えていく、
あの遠くの地に父さんがいるのかと想像しながら、
父さんの大きな膝の中で食べたことを思い重ねて栗を食べている。
3番は、南方の島で生きているとの知らせを信じて、
戦争に行ったお父さんが無事で帰って来られるように、
お母さんの手の中で、一緒に祈っている。
聴いていて、私には優しいお母さんと意志の強いお父さんの顔が浮かんできました。
倍賞千恵子さんの唄う歌を聴いたのだけれど、歌詞の意味を知って聴くと涙が出ました。
親子の愛情に包まれて、子供は愛されているという自信を持って育っていく。現代に失われてきつつある大事なものがここにあるように感じました。皆さん、ぜひ一度この歌を聴いてみてください。
2021年10月30日 礒部英昭
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